特集 腹膜透析の展開―生き残りをかけた在宅医療
2.現在の腹膜透析のスタイル―もはやCAPDは基本ではない(1)インクリメンタルPD
櫻田 勉
1
1聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科
キーワード:
インクリメンタルPD
,
腹膜透析処方
,
患者中心の医療
Keyword:
インクリメンタルPD
,
腹膜透析処方
,
患者中心の医療
pp.937-940
発行日 2023年7月10日
Published Date 2023/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002645
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インクリメンタル腹膜透析(PD)は標準的なPD(1日4回,1回2 Lのバッグ交換を行う連続携行式腹膜透析あるいはサイクラーを用いて1日8 Lを使用する自動腹膜透析)よりも少ない処方で導入し,PDと残存腎機能を合わせた目標クリアランスが達成され,残存腎機能が低下した場合に必要に応じて段階的に透析量を増やす治療戦略を指す.近年,インクリメンタルPDの定義が明確化され,その有用性が徐々に明らかとなっている.本邦ではPD患者の多くがインクリメンタルPDを実践しているが,これまでその効果に関して十分に検証されていない.本稿では,インクリメンタルPDの利点と欠点,PDOPPSのデータを用いた研究結果の一部を紹介しながら今後の課題について概説する.
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