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増刊号 腎代替療法のすべて
【第3章 腎代替療法の現状と問題点,求められるケア】
1 わが国の腎代替療法の現状と問題点 ⑤わが国の急性腎障害に対する急性血液浄化療法
Acute blood purification therapy for acute kidney injury in Japan
持田 泰寛
1
,
守矢 英和
1
,
小林 修三
1
Mochida Yasuhiro
1
,
Moriya Hidekazu
1
,
Kobayashi Shuzo
1
1湘南鎌倉総合病院 腎臓病総合医療センター
キーワード:
急性腎障害
,
急性血液浄化
,
エンドトキシン吸着
Keyword:
急性腎障害
,
急性血液浄化
,
エンドトキシン吸着
pp.88-92
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000406
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はじめに
急性腎障害(acute kidney injury:AKI)の原因は多岐にわたるが,AKIにて急性血液浄化を考慮・必要とする場面の多くは集中治療領域である。集中治療室でのAKI発症率は30~40%で,その多くは敗血症,心臓外科手術後,心不全が原因であると報告されている1)。このAKIという症候群は多臓器不全症候群(detall of reference example:MODS)の1つの徴候であり,AKIの重症度が高度になるにつれ死亡率が上昇する2),特に腎代替療法(renal replacement therapy:RRT)を行ったAKI患者の予後は不良である3)。RRTにて無事に生還することができても,入院中に生じたAKIは慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)に移行し,その後の予後にも影響が生ずる4)。このようなことから,AKIは重要な予後規定因子であると認知されるようになった。
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