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特集 多臓器不全と急性腎障害(AKI)
【各論】
AKIの予後改善を目指した治療法 腎保護を目指した治療薬ならびに開発中の薬剤
A therapeutic drugs aimed at protecting the kidneys
平和 伸仁
1
HIRAWA Nobuhito
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター 腎臓・高血圧内科/血液浄化療法部
キーワード:
AKI
,
治療薬
,
SGLT2阻害薬
Keyword:
AKI
,
治療薬
,
SGLT2阻害薬
pp.112-117
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000241
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はじめに
急性腎障害(AKI)は,クレアチニン(Cr)値の増加などの基準を満たす場合に診断される「病態」であり,症候群と同様にさまざまな要因で発症する。特に腎前性のAKIや薬剤性のAKIについていえば,予防することが最大の治療法である。造影剤腎症も造影剤を使用しない,あるいは代用検査で対応することはAKIの発症を未然に防ぐという意味で,最大の治療法である。一方で,Kidney Disease:Improving Global Outcomes(KDIGO)のAKIガイドライン20121)において,KDIGOバンドルといわれるAKIの管理方法が提唱されている。他稿で説明されているため詳細は割愛するが,これは原因解除に加えて,体液量の管理,腎灌流の維持,そのための各種生体パラメーターの管理などを骨子とした管理である。KDIGOバンドルは,どのAKIについても有効なコンセプトである。しかしながら,これらはAKIに特異的な治療とはいえないであろう。生体のホメオスタシスを維持するための方策であり,いわゆる治療薬という範疇には入らないと考えられる。
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