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特集 囊胞腎
【囊胞性腎疾患の病態・疫学】
ADPKDの疫学
Epidemiology of ADPKD
土谷 健
1
,
秋久 太朗
2
,
片岡 浩史
2
TSUCHIYA Ken
1
,
AKIHISA Taro
2
,
KATAOKA Hiroshi
2
1東京女子医科大学 血液浄化療法科
2東京女子医科大学 腎臓内科
キーワード:
人間ドック
,
バソプレシン
,
PKD
,
腹部超音波検査
Keyword:
人間ドック
,
バソプレシン
,
PKD
,
腹部超音波検査
pp.481-484
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000317
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はじめに
常染色体顕性(優性)多発性囊胞腎(autosomal dominant polycystic kidney disease:ADPKD)では,両側腎臓に多数の囊胞が進行性に発生・増大し,腎容積の増大とともに腎機能が低下し,最終的には50~70%の症例において腎死(平均67.42歳)から腎代替療法が必要となる。腎臓以外の種々の臓器にも囊胞形成や形態・機能障害が生じる全身性疾患であり,最も頻度の高い遺伝性腎疾患である。従来,腎の特異的な形態異常から泌尿器科領域での診療が中心であったが,最近では囊胞の増大・進展に抑制的な作用を示すバソプレシン受容体拮抗薬が治療薬として実臨床で使用可能となり,腎臓内科もしくは内科領域で扱われることが多くなった。また,情報のひろがりと健康診断(健診),人間ドックなどのスクリーニング,特に腹部超音波検査などの侵襲の少ない検査で特徴的な腎の画像を得ることが可能となり,潜在的な患者も見出されるようになってきている。
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