Japanese
English
研究
エナロデュスタットの肝臓におけるエリスロポエチン産生への影響
Effects of Enarodustat, a HIF-PH inhibitor, on production of erythropoietin from liver
藤岡 正樹
1
,
福井 健人
2
,
田中 哲洋
3
FUJIOKA Masaki
1
,
FUKUI Kenji
2
,
TANAKA Tetsuhiro
3
1鳥居薬品株式会社 価値創造グループ メディカルアフェアーズ部
2日本たばこ産業株式会社 医薬総合研究所
3東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科
キーワード:
HIF-PH阻害薬
,
エナロデュスタット
,
エリスロポエチン産生
,
腎摘出ラット
,
無腎被験者
Keyword:
HIF-PH阻害薬
,
エナロデュスタット
,
エリスロポエチン産生
,
腎摘出ラット
,
無腎被験者
pp.135-140
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000245
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
慢性腎臓病(CKD)の合併症である腎性貧血は,腎機能障害の進展に伴い頻度あるいは程度が高度になる1)。貧血に伴うquality of life(QOL)の低下に加え,CKD患者において,腎疾患,貧血,心疾患が互いに影響しあう悪循環を形成するという心腎貧血症候群(cardio-renal-anemia syndrome)が提唱され2),慢性虚血を伴う貧血により,腎機能あるいは心機能の悪化などの臓器障害がさらに進展することも報告されている。そのため,貧血の治療により生命予後の改善が期待できることから,貧血治療が勧められている1)。CKD患者では比較的早期から,赤血球を増加させ,臓器に対する酸素供給を増やすエリスロポエチン(EPO)の産生能低下が起こり,この低下が腎性貧血の主要な原因とされている3)。1990年から外因性のEPOを補充するerythropoiesis-stimulating agent(ESA)を用いた治療が行われており,透析患者において,それまでの治療方法で主流であった輸血量を激減させることに加え,患者の腎性貧血治療やQOL改善に大きく貢献した1)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.