特集 いま,内科薬はこう使う
血液疾患薬
エリスロポエチン産生刺激製剤
長谷川 毅
1
,
藤岡 礼
1
,
笹井 文彦
1
1昭和大学藤が丘病院腎臓内科
キーワード:
エスポー
,
エポジン
,
ネスプ
,
ミルセラ
Keyword:
エスポー
,
エポジン
,
ネスプ
,
ミルセラ
pp.274-277
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106441
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腎不全患者の最頻の合併症である腎性貧血は腎不全の進行に伴う内因性エリスロポエチン(erythropoietin:EPO)分泌の相対的欠乏により生じる.1990年より日本でも臨床応用されたEPO産生刺激製剤(erythropoiesis stimulating agent:ESA)は,それまで頻回の赤血球輸血を余儀なくされていた腎不全患者の腎性貧血管理を劇的に改善し,生命予後やQOLを大きく向上させた.ESA製剤は諸外国では腎性貧血のみならず抗癌剤投与による副作用としての貧血に対しても使用されている.しかしわが国では,その生命予後悪化および腫瘍増殖促進のリスクの懸念から,癌化学療法に伴う貧血へのESA製剤の適応承認は現在なされていない.そこで本稿では,わが国で2012年現在,使用可能な腎性貧血治療薬としてのESA製剤の使用方法に限定して述べる.
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