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綜説
腎癌におけるエリスロポエチン産生とその機序
Mechanisms Erythropoietin Production by Human Renal Cell Carcinomas
勝岡 洋治
1
,
白水 幹
2
Yoji Katsuoka
1
,
Miki Shiramizu
2
1大阪医科大学泌尿器科
2伊勢原協同病院泌尿器科
1Department of Urology, Osaka Medical College
2Urology, Isehara Kyodo Hospital
キーワード:
腎癌
,
エリスロポエチン
Keyword:
腎癌
,
エリスロポエチン
pp.817-826
発行日 1996年10月20日
Published Date 1996/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901909
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筆者らはこれまでにエリスロポエチン(EPO)産生ヒト腎癌のヌードマウス移植と組織培養系を用いて,EPO産生様式の検討および分子生物学的解析を行ってきた。その結果,腎癌に合併する赤血球増多症は癌細胞自体が産生するEPOにより引き起こされるものであり,それは生理的刺激に反応しない自律的なものと考えられた。EPO産生腎癌ではEPO遺伝子の発現がみられたが,そのサイズは正常細胞のそれと同等で,構造変化も見い出されなかったことより,遺伝子レベルにおけるEPO産生機構の本質はいまだ不明である。そしてEPO産生腎癌にはheterogeneityがあり,種々のサイトカインがEPO産生に影響を与えていることが示唆された。
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