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Ⅰ Validation Study of the Oxford Classification of IgA Nephropathy(VALIGA)研究
VALIGA研究は,Oxford分類と予後との関連を調査するために,欧州13カ国55施設から症例集積が行われた研究である。2014年に観察期間4.7年の時点の1,147例を対象とした解析が行われ,年間平均1.8±7.5mL/min/1.73m2の推算糸球体濾過量(eGFR)低下,14%がeGFRの50%減を,12%が末期腎不全(ESKD)を認めており,Oxford分類のメサンギウム細胞増多(M)病変,分節性硬化(S)病変,尿細管萎縮/間質線維化(T)病変は独立して腎予後に関連していることが『Kidney International』誌に報告された1)。2015年には副腎皮質ステロイドの効果を検証するために傾向スコアを用いたマッチングによって184例ずつを抽出し,副腎皮質ステロイドとレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系阻害薬(RASB)の併用群(RASB+CS群)は,RASBの単独投与群(RASB群)よりも腎機能低下が遅く(RASB+CS群:−1.0±7.3mL/min/1.73m2 vs RASB群:−3.2±8.3mL/min/1.73m2,p=0.004),アウトカムの発生も少なかった(RASB+CS群:184例中12例vs RASB群:184例中27例,p<0.01)という報告がなされている2)。2020年には1,130例について観察期間7年(IQR:4.1-10.8年)時点の結果が報告され3),M1病変〔ハザード比(HR)1.34,95%信頼区間(CI)1.02-1.75〕,S1病変(HR 1.61,95%CI 1.10-2.36),T1,T2病変(HR 2.46,95%CI 1.80-0.36)はそれぞれエンドポイント(eGFRの50%減or ESKD)に対する独立した危険因子となっていること,T1,T2病変はeGFRの減少についても有意な差を認めていたことが示された。
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