特集 Prediction rule―診療に役立つ臨床予測ルール
【各論】
骨粗鬆症のPrediction rule
六反田 諒
1
,
岸本 暢将
1
1聖路加国際病院アレルギー膠原病科
キーワード:
骨粗鬆症
,
骨折リスク
,
FRAXⓇ
,
薬物治療基準
Keyword:
骨粗鬆症
,
骨折リスク
,
FRAXⓇ
,
薬物治療基準
pp.452-454
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102519
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はじめに
2011年にOECDが発表した日本の平均寿命は83.0歳と世界一,女性だけを見れば86.39歳と26年連続で世界一を記録するなど,超高齢化社会が進みつつある日本では加齢性疾患である骨粗鬆症を避けて通ることができない.また,現在の医原性疾患のなかで最も多い疾患はステロイド性骨粗鬆症であるといわれている.骨粗鬆症に続発する代表的な合併症は骨折であるが,その影響を示す一例として,大腿骨近位部骨折患者では骨折前にADLが自立していた症例が87%であったのに対して,骨折1年後には50%に低下しており1),高齢者のADLに大きな影響を与えているとの報告がある.また,メタ解析では同骨折後1年の死亡リスクは非骨折者に対して男性では3.7倍,女性では2.9倍に高まることが示唆され,非椎体骨折でも死亡リスクは男女ともに1.7倍高くなるとの報告がある2)など,骨粗鬆症と骨折の予防は臨床上の重要課題であるといえる.本稿では以上のような背景を踏まえて,骨粗鬆症に伴う骨折を未然に予防するために,そのリスクを評価するPrediction ruleであるFRAXⓇについて述べる.
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