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特集 IgA腎症―最新の知見
【トピックス】
腎生検組織標本へのAIの活用
Applying artificial intelligence to renal biopsy histopathology specimens
橋口 明典
1
HASHIGUCHI Akinori
1
1慶應義塾大学医学部 病理学教室・電子顕微鏡研究室
キーワード:
デジタル病理学
,
IgA nephropathy
,
artificial intelligence
,
Quantitative Histopathology Image Ontology
Keyword:
デジタル病理学
,
IgA nephropathy
,
artificial intelligence
,
Quantitative Histopathology Image Ontology
pp.1072-1076
発行日 2022年6月25日
Published Date 2022/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000214
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はじめに
本稿の内容の概要は,本誌2021年2月号特集「来たるべくデジタルヘルスケア革命―乗り遅れるな腎臓病学!」の「腎生検デジタル病理」1)の項で述べたが,今回は改めて,IgA腎症に対する取り組みに関して詳細に述べたい。腎生検病理に対する実用的なartificital intelligence(AI)の応用は,移植腎における取り組みが先んじていると考えられる。2019年Banff会議において,Banff Digital Pathology Working Group(DPWG)が設置され,病理検査のdigital automationに関する問題について検討が行われているとの報告がなされている2)。Banff分類の半定量的スコア化は,病理医にとって労力のかかる作業であるばかりでなく,その再現性が問題となっている。直接診断を下すAIの開発はきわめてハードルが高い一方,診断に直接関与しない部分のAI開発は,最終的に病理医が判定を行うという条件のもと,若干,ハードルが下がる。
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