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特集 IgA腎症―最新の知見
【国内外の大規模多施設共同研究からの知見】
厚生労働省後方視的大規模多施設研究JNR-IgANより
Lessons from Japanese Nationwide Retrospective Cohort Study in IgA Nephropathy
大木 悠太郎
1
,
平野 景太
1
OHKI Yutaro
1
,
HIRANO Keita
1
1足利赤十字病院 腎臓内科
キーワード:
扁桃摘出術
,
ステロイドパルス療法
,
併合ハザード比
Keyword:
扁桃摘出術
,
ステロイドパルス療法
,
併合ハザード比
pp.1029-1034
発行日 2022年6月25日
Published Date 2022/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000206
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はじめに
IgA腎症の進行を抑止することは大切である。その理由として,慢性糸球体腎炎の4割を占める最頻疾患であること,透析導入原疾患の第1位であること,透析導入後の死亡率は導入前に比して5倍になることなどが挙げられる。では,どのように治療を考えていくのか。これについて国際的腎疾患診療ガイドライン2021〔Kidney Disease:Improving Global Outcomes(KDIGO)2021 Clinical Practice Guideline for the Management of Glomerular Disease(以下,KDIGO 2021)〕は以下のように推奨している1)。第一は生活指導やレニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬などの最大限の支持療法である。前者の生活指導は運動療法,禁煙,そして減塩などの食事療法を含んでいる。そういった支持療法を数カ月ほど尽くしても腎疾患進行のリスクがある場合,次の治療選択肢としてステロイド療法主体の免疫抑制療法の検討が求められている。ここでいう腎疾患進行のリスクは主に残存する蛋白尿を意味している。
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