特集 Prediction rule―診療に役立つ臨床予測ルール
【各論】
肺炎のPrediction rule
矢部 正浩
1
1新潟市民病院総合診療内科
キーワード:
成人市中肺炎
,
臨床予測ルール(Prediction rule)
,
Pneumonia severity index(PSI)
,
CURB-65
,
A-DROPシステム
Keyword:
成人市中肺炎
,
臨床予測ルール(Prediction rule)
,
Pneumonia severity index(PSI)
,
CURB-65
,
A-DROPシステム
pp.432-435
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102514
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成人の市中肺炎(community-acquired pneumonia:CAP)(J1)は,市中病院や診療所でも遭遇することの多いcommon diseaseである.CAPと診断した場合,次に重症度を判断する必要がある.外来で治療可能か,入院治療を要するか,あるいは集中治療室(ICU)での対応が必要か,といった重症度を評価することで,診療所,一般病院,高次医療機関のいずれかでの治療をする必要があるか,あるいはこのような医療機関に紹介をする必要があるかを判断することになる.
これまでは,CAPの重症度を判断する際にCRPや白血球値を用いることが多かったが,さまざまな検討の結果,これらのパラメータでは重症度を正確に反映しないことがわかっている.
CAPの重症度をより科学的に,より正確に評価するために,CAP患者を前方視的に検討し,予後因子を同定し,予後予測が可能な重症度分類,臨床予測ルール(Prediction rule)が開発され,妥当性についても検討がなされている.
ここでは,重症度分類,臨床予測ルールとして世界的に評価され,2007年の米国感染症学会・米国胸部学会のCAPガイドライン1),ならびに英国胸部学会のCAPガイドライン2)で採用されているPneumonia severity index(PSI)とCURB-65,それから日本呼吸器学会のCAPガイドライン3)で採用され一定の評価がなされているA-DROPシステムについて述べたい.
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