Japanese
English
特集 Onco-nephrology:悪性腫瘍治療と腎機能障害
【抗がん薬・抗悪性腫瘍治療による腎機能障害】
造血幹細胞移植における腎障害:病態と対策
Kidney disease in hematopoietic stem cell transplantation
西原 彩佳
1,2
,
塚本 祥吉
1,2
,
堺田 惠美子
1,2
NISHIHARA Ayaka
1,2
,
TSUKAMOTO Shokichi
1,2
,
SAKAIDA Emiko
1,2
1千葉大学医学部附属病院 血液内科
2千葉大学医学部附属病院 造血細胞移植センター
キーワード:
acute kidney injury
,
chronic kidney disease
,
hematopoietic stem cell transplantation
,
calcineurin inhibitor
Keyword:
acute kidney injury
,
chronic kidney disease
,
hematopoietic stem cell transplantation
,
calcineurin inhibitor
pp.608-613
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000118
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
造血幹細胞移植(hematopoietic stem cell transplantation:HSCT)は,通常の化学療法や放射線療法では根治困難な血液疾患に対して根治を目的として行われる治療法であり,大量抗がん薬および免疫応答による抗腫瘍効果を期待して選択される。あらかじめ採取した患者自身の造血幹細胞を移植する自家移植と,ドナーから提供された骨髄・末梢血・臍帯血由来の造血幹細胞を移植する同種移植とがあり,いずれも高齢者までの移植年齢の拡大や移植技術の向上などを背景に,その施行件数は増加の一途をたどっている。しかし,移植治療においてはさまざまな合併症リスクがあり,その1つである移植後の腎障害は発症頻度が高く,しばしば重篤な転帰をもたらすため,移植後の経過や発症時期などから原因を鑑別し,早期に対応することが重要である。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.