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特集 MGRS―血液内科との連携
【序文】
MGRSを治る腎臓病にするために
MGRS, as a curable kidney disease
長田 道夫
1,2
NAGATA Michio
1,2
1筑波大学 医学医療系
2板橋中央総合病院 病理診断科
キーワード:
M蛋白
,
腎臓病
,
抗体薬
,
アミロイドーシス
Keyword:
M蛋白
,
腎臓病
,
抗体薬
,
アミロイドーシス
pp.367-370
発行日 2022年2月25日
Published Date 2022/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000072
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はじめに
MGRS(monoclonal gammopathy of renal significance)は,骨髄腫やB細胞性悪性腫瘍の定義を満たさない,形質細胞あるいはB細胞の小さなクローンから産生されるM蛋白によって生じる腎臓病の総称である1)。M蛋白血症の発症頻度は,50歳以上では人口の3%,70歳以上では5%とされ,M蛋白が<30g,骨髄生検で単クローン形質細胞が<10%で,かつ臓器障害のないものをMGUS(monoclonal gammopathy of undetermined significance)としている2)。MGUSのなかには症状あるいは臨床徴候はみられず,老化に伴うやや生理的範疇を超えた状態で,病気として扱われないものも少なくない。一方で,M蛋白があっても症状のないMGUSとは別に,臨床的に問題がある場合をMGCS(monoclonal gammopathy of clinical significance)といい,腎臓は皮膚や末梢神経と並ぶMGCSの代表的な障害臓器でMGRSと称される。
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