第36回日本ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 【講演】
血液浄化治療におけるラジカルアクセプターα1-microglobulin除去の意義
金 成泰
1,2
1社会医療法人川島会川島病院学術企画室
2一般社団法人クラインシュタイン医工学パースペクティブ
pp.289-303
発行日 2022年1月25日
Published Date 2022/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000050
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
α1-microglobulin(α1-m)は,183アミノ酸残基からなる分子量26kDの基本骨格をもち,これに3本の糖鎖が結合して全体の分子量は33kDとなっている1)。あまねく動物種にホモログが存在し,そのコンセンサス領域は魚類から哺乳類に至るまでよく保存されている。生理的な血中濃度は10~20mg/Lと,β2-microglobulin(β2-m)よりも10倍ほど高く,糸球体で濾過され尿細管で代謝される尿細管性蛋白質の主成分である。α1-mは単体として存在するもののほかに,dIgA(IgA二量体)・アルブミン・プロトロンビンなどとおのおの1:1の分子数比で結合する分画が存在し,その動態は複雑である2)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.