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特集 胆石・膵石除去術Update
[総胆管結石]
術後再建腸管症例の胆管結石に対するEUS下順行性治療
EUS-guided antegrade treatments for bile duct stones in patients with surgically altered anatomy
岩下 拓司
1
,
斉藤 聖弘
1
,
山下 典亮
1
,
新谷 修平
1
,
稲富 理
1
Takuji Iwashita
1
,
Kiyohiro Saito
1
,
Noriaki Yamashita
1
,
Shuhei Shintani
1
,
Osamu Inatomi
1
1滋賀医科大学消化器内科
キーワード:
術後再建腸管症例
,
超音波内視鏡下順行性治療
,
ESCR
Keyword:
術後再建腸管症例
,
超音波内視鏡下順行性治療
,
ESCR
pp.53-56
発行日 2026年1月25日
Published Date 2026/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002473
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はじめに
胆管結石は,腹痛,黄疸,発熱などの症状を引き起こす。無症状であっても急性胆管炎を発症すれば重症化する危険性があるため,胆管結石に対しては治療が推奨されている。胆管結石に対する治療方法には,経皮的,外科的,内視鏡的アプローチがある。内視鏡的治療は,ERCPを用いて行われ,1974年に報告された内視鏡的乳頭括約筋切開術(endoscopic sphincterotomy:EST)1, 2)と,それに続く採石バスケットやバルーンカテーテルを用いた結石除去が,低侵襲かつ標準的な治療法として広く普及している。しかし,結石の大きさ,数,位置,あるいは解剖学的背景などにより,標準的な手技では処置に難渋する,いわゆる“治療困難胆管結石”もしばしば経験される3)。その代表例の一つが上部消化管術後再建腸管症例である。術後再建腸管症例では,通常のERCPに用いる十二指腸鏡では胆管開口部に到達すること自体が困難であり,仮に到達できても処置用デバイスの選択や操作性に大きな制約がある。バルーン内視鏡(balloon endoscopy:BE)の登場により,術後再建腸管症例でも胆管開口部への到達は比較的安定して可能となったが,BEを用いたERCPは依然として容易な処置ではない。近年,EUS下に胆管へ穿刺・アプローチし,胆管結石に対して順行性治療(antegrade treatment:AG)を行う方法の有用性が報告されている。EUS-AGは解剖学的制約を受けにくく,術後再建腸管症例における新たな治療選択肢として注目されている。本稿では,術後再建腸管症例における胆管結石に対するEUS-AGの現状について概説する。

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