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特集 動画で魅せる内視鏡的創閉鎖法のすべて
[クリップを用いた創閉鎖法]
【Topics】体温応答性コラーゲンゾルを用いた切除創被覆・補強の試み
Wound dressing and reinforcement with temperature-dependent collagen solution
浦岡 俊夫
1
,
佐藤 圭吾
1
,
Aung Paing Moe
1
,
田中 寛人
1
,
糸井 祐貴
1
,
保坂 浩子
1
,
栗林 志行
1
,
竹内 洋司
2
,
柚木 俊二
3
Toshio Uraoka
1
,
Keigo Sato
1
,
Aung Paing Moe
1
,
Hirohito Tanaka
1
,
Yuki Itoi
1
,
Hiroko Hosaka
1
,
Shiko Kuribayashi
1
,
Yoji Takeuchi
2
,
Shunji Yunoki
3
1群馬大学大学院医学系研究科内科学講座消化器・肝臓内科学
2群馬大学医学部附属病院光学医療診療部
3新田ゼラチン株式会社総合研究所
キーワード:
コラーゲンゾル
,
創閉鎖
,
tissue engineering
Keyword:
コラーゲンゾル
,
創閉鎖
,
tissue engineering
pp.1070-1072
発行日 2025年8月25日
Published Date 2025/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002183
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はじめに
近年の内視鏡機器や技術の進歩により,早期消化管癌への内視鏡的治療は革新を遂げている。これまで技術的に一括切除が困難であった大型病変や瘢痕・粘膜下層の線維化を伴う早期癌はESDにて治癒切除が得られるようになってきた。一方で,ESDをはじめとする内視鏡切除術には,術後出血・遅発性穿孔などの偶発症発症のリスクが伴う。よって,術後潰瘍をいかに適切にマネージメントするかが偶発症への予防の鍵となり,潰瘍底の残存血管への高周波凝固法に加え,切除創の内視鏡的閉鎖術が有効とされている。ESD後の内視鏡的切除創閉鎖法には,臓器を特定としていない内視鏡クリップを用いた閉鎖法が広く普及しているが,より大型の潰瘍を効率的に縫縮することを目的とした留置スネアや糸などとの併用法や全層での閉鎖が可能な閉鎖クリップも発売されてから久しい。また,軟性持針器やOverStitchTMなどの縫合デバイスの登場は任意の層での縫合が可能で,術後潰瘍のみならず全層縫合も可能にした。しかし,いずれも技術的困難性を伴い,一手技に対して長時間を有することも多い。また,保険償還された閉鎖・縫合用デバイスがないなど強く推奨される内視鏡的切除創閉鎖・縫合法は十分に確立していない。

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