EUS-BDルートからの胆道鏡

Cholangioscopy through the route of EUS-guided biliary drainage

はじめに

　超音波内視鏡下胆道ドレナージ術（endoscopic ultrasound-guided biliary drainage：EUS-BD）は，ERCP不成功例に対する代替療法として広く普及してきた^{1, 2）}。近年では悪性胆道閉塞症例のみならず，良性疾患に対するEUS-BDの報告も散見される^3）。良性疾患に対するEUS-BDにおいて，悪性胆道閉塞症例に対するEUS-BDと決定的に異なるのは，単にドレナージを行えばよいのではなく，胆道鏡を挿入し結石破砕を行うといったような，その後の治療が必要となることである。そのため，良性疾患では，その後の治療を見据えたEUS-BDを行う必要がある。本稿では，「EUS-BDルートからの胆道鏡」と題し，特に適応となることが多い超音波内視鏡下胆管胃吻合術（EUS-guided hepaticogastrostomy：HGS）ルートからの胆道鏡挿入法を中心に，その手技のコツを概説する。