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特集 消化器内視鏡寸言集2025
Ⅰ.全般[一般論]
消化管運動は厄介者?
Should an endoscopist have an interest in gastrointestinal motility?
栗林 志行
1
,
保坂 浩子
1
,
浦岡 俊夫
1
Shiko Kuribayashi
1
1群馬大学大学院医学系研究科消化器・肝臓内科学
pp.453-453
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001956
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解説
消化管病変の内視鏡診断において,消化管運動が出現して観察が困難になることが少なくない。特に,拡大観察を行う際に消化管運動が生じてしまうと,詳細な評価が非常に困難になってしまう1)。大腸内視鏡では病変の質的診断時だけではなく挿入に関しても,大腸運動が挿入を困難にしてしまうため,蠕動を抑制することにより盲腸到達率が向上し,挿入時間を短縮できる。さらに,大腸内視鏡施行時に蠕動を抑制したほうが,病変発見率が高くなる可能性も示唆されており2),一般臨床でも消化管運動を抑制するために抗コリン薬やグルカゴンが使用されている。また,小腸内視鏡時に蠕動抑制を行うことにより,粘膜観察を最適化でき,病変発見率が向上することや,内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査時には胆管挿入が容易になると報告されている。
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