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特集 大腸内視鏡 挿入・観察 A to Z
[大腸内視鏡挿入の基本スタンス]
【Note】用手圧迫と体位変換の活用
Abdominal compression and postural change
竹内 洋司
1,2
,
細谷 隆一
1
,
浦岡 俊夫
2
Yoji Takeuchi
1,2
,
Ryuichi Hosoya
1
,
Toshio Uraoka
2
1群馬大学医学部附属病院光学医療診療部
2群馬大学大学院医学研究科消化器・肝臓内科学
キーワード:
大腸内視鏡
,
挿入
,
用手圧迫
Keyword:
大腸内視鏡
,
挿入
,
用手圧迫
pp.320-324
発行日 2025年3月25日
Published Date 2025/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001903
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はじめに
日本における2020年のがん統計によると,大腸癌は男女あわせたがん罹患数で第1位(男性第2位,女性第2位)であり,がん死亡原因としても第2位(男性第2位,女性第1位)を占め,十分な対策が求められている1)。大腸内視鏡検査は,大腸癌の早期発見だけでなく,前癌病変である大腸ポリープの切除により,大腸癌の発生率および死亡率の低減に寄与するという強固なエビデンスが示されている2)。また,大腸内視鏡検査後に発生する「post colonoscopy colorectal cancer(PCCRC)」は,内視鏡医の腺腫発見割合(adenoma detection rate:ADR)と密接に関係することが明らかになっている3)。近年,大腸癌に加え,炎症性腸疾患も増加傾向にあり,これらの疾患の診断における大腸内視鏡検査の重要性がますます高まっている。とはいえ,大腸内視鏡検査はまず挿入を完了しなければ始まらない検査であり,内視鏡医には挿入時の苦痛を最小限に抑え,検査への拒否感を減らす工夫が求められる。

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