特集 膵疾患に対する内視鏡診療のすべて
膵疾患に対する内視鏡治療 EUS下膵管ドレナージ術の実際
竹中 完
1
,
福永 朋洋
,
高島 耕太
,
田中 秀和
,
吉田 晃浩
,
岡本 彩那
,
山崎 友裕
,
大本 俊介
,
三長 孝輔
,
鎌田 研
,
山雄 健太郎
,
工藤 正俊
1近畿大学 医学部消化器内科
キーワード:
胃
,
膵臓疾患
,
ステント
,
穿刺
,
胆膵管膨大部
,
インターベンショナル超音波診断
,
超音波内視鏡検査
,
内視鏡的経鼻的膵管ドレナージ
Keyword:
Endosonography
,
Ampulla of Vater
,
Stents
,
Punctures
,
Ultrasonography, Interventional
,
Pancreatic Diseases
,
Stomach
pp.1459-1466
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021368622
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近年膵管内圧上昇による病態の治療として、外科的減圧治療、内視鏡的逆行性膵管ドレナージに加え、新たなドレナージ方法としてEUS下経消化管的膵管ドレナージ(EUS-PD)が報告されその有用性が報告されている。EUS-PDとは「胃や十二指腸から、EUSを用いて拡張膵管を描出し、EUS-FNAの要領で膵管にアクセスして内視鏡的にドレナージを行う手法」であるが、治療成績に関してはおおむね80%以上と高いものの手技成功率は63~100%とばらつきがあり、最新のメタ解析では手技成功率は81.4%、臨床改善率は84.6%とされ、偶発症発症率は21.3%とされている。偶発症には出血や穿孔、頻度は低いながら重症膵炎なども報告されており、EUS-PDは同じEUS下ドレナージ治療であるEUS-BDと比較すると依然確立されていない適応を、慎重に検討する必要がある手技であると考えられる。本稿ではその適応と手技の実際について解説を行う。
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