特集 胆道・膵疾患を診る―早期診断・早期治療のために
Overview
急性膵炎・急性胆管炎update
竹中 完
1
,
大本 俊介
1
,
三長 孝輔
1
,
鎌田 研
1
,
工藤 正俊
1
1近畿大学 医学部消化器内科
キーワード:
急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン2018
,
急性膵炎診療ガイドライン2021
,
地域連携ネットワーク
Keyword:
急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン2018
,
急性膵炎診療ガイドライン2021
,
地域連携ネットワーク
pp.13-19
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_13
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Summary
▪急性膵炎と診断した後はまず重症化のリスクを判断し,重症化した場合,もしくは重症化が高率に予想される場合には適切な施設への搬送と適切な治療をシステマティックに行うことが求められ,「Pancreatitis Bundles 2021」の積極的活用が望まれる.
▪「Pancreatitis Bundles 2021」で改訂された内容として,軽症急性膵炎には予防的抗菌薬は使用しないこと,経腸栄養は経胃でも可であること,感染性膵壊死に対するステップアップ・アプローチ,などがあげられる.
▪急性膵炎診療における地域連携ネットワークの重要性は「急性膵炎診療ガイドライン2021」でも強調されており,各地域それぞれのネットワークづくりが求められる.
▪急性胆管炎の診断には長らくCharcot 3徴(発熱・黄疸・腹痛)が用いられてきたが,実際にはCharcot 3徴をきたさない急性胆管炎が多く経験され,「急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン2018」では急性胆管炎の診断は「全身の炎症」「胆汁うっ滞」「胆管病変」の3因子を用いて行われている.
▪急性膵炎・胆管炎,いずれの病態も重症度評価は頻回に行い,当初は軽症の症例でも重症化する可能性を常に念頭に置き,重症化のタイミングを逃さないようにすることが肝要である.
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