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特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅰ.腫瘍,腫瘍様病変
粘膜下腫瘍/粘膜下腫瘍様病変
異所性膵(迷入膵)
Ectopic (aberrant) pancreas
森岡 晃平
1,2
,
髙取 祐作
2
,
矢作 直久
2
,
加藤 元彦
3
Kohei Morioka
1,2
,
Yusaku Takatori
2
,
Naohisa Yahagi
2
,
Motohiko Kato
3
1慶應義塾大学医学部消化器内科
2慶應義塾大学医学部腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門
3慶應義塾大学医学部内視鏡センター
キーワード:
異所性膵
,
迷入膵
,
SMT
Keyword:
異所性膵
,
迷入膵
,
SMT
pp.494-495
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001327
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疾患の概要
迷入膵とは本来の膵とは連続性をもたず存在する膵組織で,発生学的には胎生期の膵原基の一つである十二指腸背側原基の一部が迷入したものと考えられている。消化管では十二指腸で最も多く30%,次いで 胃25%,空腸15%程度とされ,十二指腸では球部から下行部の乳頭口側の内側に好発する1)。多くは無症状であり,無治療経過観察となることが多いが正常膵に発生するすべての病態が起こりうる。膵炎,消化管出血,囊胞形成,悪性化などをきたした症例も報告されており,異所性膵原発の癌はこれまで40例以上報告されている2)。粘膜下層以深に存在する腫瘍であるため通常の鉗子生検での病理組織学的診断率は低く,確定診断にはボーリング生検やEUS-FNAが有用とされている3)。異所性膵の組織学的分類は膵ランゲルハンス島,腺房,導管がそろったHeinrich Ⅰ型,腺房,導管をもつⅡ型,導管と周囲の平滑筋組織のみのⅢ型の3型に分類される4)。
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