Japanese
English
臨床報告
胃異所性膵に発生した上皮内癌の1例
Carcinoma in situ due to a gastric ectopic pancreas:a case report
岡田 慶吾
1
,
十束 英志
1
,
松村 知憲
1
,
松本 裕史
1
,
新井 桃子
2
,
神谷 誠
2
Keigo OKADA
1
1羽生総合病院外科
2羽生総合病院病理科
キーワード:
異所性膵
,
癌化
,
胃粘膜下腫瘍
Keyword:
異所性膵
,
癌化
,
胃粘膜下腫瘍
pp.139-143
発行日 2010年1月20日
Published Date 2010/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102947
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要旨:患者は78歳,男性.胸焼けの精査目的の上部消化管内視鏡検査で胃前庭部前壁の大彎寄りに粘膜下腫瘍を認めた.生検による確定診断は得られなかった.しかし,周囲に潰瘍形成を繰り返し,大きさも増大傾向となったため,診断的治療の目的で幽門側胃切除術を施行した.病理学的検索の結果,胃粘膜下組織から筋層にかけて異所性膵がみられ,その膵管上皮の一部に上皮内癌を認めた.異所性膵からの癌化の証明は多くの場合困難であり,わが国における報告例は25例にすぎない.自験例はin situ病変であり,異所性膵のmalignant potentialを示す興味深い症例と思われた.
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