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特集 内科と外科のコラボレーション手術の今
[胃粘膜下腫瘍に対するコラボレーション手術]
【Column】EHS(Endoscopic hand suturing)がもたらす近未来像
What will endoscopic hand suturing (EHS) bring about in the near future?
後藤 修
1,2
,
中込 峻
2
,
石川 裕美子
2
,
小泉 英里子
2
,
樋口 和寿
2
,
大森 順
2
,
秋元 直彦
2
,
岩切 勝彦
2
Osamu Goto
1,2
,
Shun Nakagome
2
,
Yumiko Ishikawa
2
,
Eriko Koizumi
2
,
Kazutoshi Higuchi
2
,
Jun Omori
2
,
Naohiko Akimoto
2
,
Katsuhiko Iwakiri
2
1日本医科大学付属病院内視鏡センター
2日本医科大学消化器内科学
キーワード:
内視鏡的手縫い縫合
,
消化管出血
,
瘻孔閉鎖
,
内視鏡的全層切除
Keyword:
内視鏡的手縫い縫合
,
消化管出血
,
瘻孔閉鎖
,
内視鏡的全層切除
pp.1562-1565
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001114
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内視鏡的手縫い縫合の現状
内視鏡的手縫い縫合(endoscopic hand suturing:EHS)は,through-the-scope型の軟性持針器SutuArt(FG-260,オリンパスメディカルシステムズ社)とバーブ付き外科用縫合糸を用いて管腔内で縫合を行う手技である1)。2012年の机上実験から始まり,動物実験を経て2015年に臨床導入され,2022年のSutuArt発売を機に全国展開へと至っている。本手技の最大の特徴は,術者の意のままに組織を縫合閉鎖できるという自由度の高さにある。持針器は鉗子孔を通して高周波ナイフや生検鉗子など既存の内視鏡処置具のような感覚で操作することが可能で,反転でも操作性が落ちない。術野が狭ければ曲率半径の小さい針を用いる選択肢もあり,2チャンネルスコープであればもう一方の鉗子孔から把持鉗子(ゴム付き把持鉗子FG-21L-1が望ましい)を用いて縫合をアシストすることもできる。大きな粘膜欠損部の閉鎖においては,筋層を拾いつつ縫合することで死腔をなくすことも自在である。したがって,EHSは必要最低限の術野が確保できればスコープが届く範囲で術者の思いどおりの縫合が実現できる,きわめて理想に近い管腔内縫合手技であるといえる(図)。
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