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特集 大腸内視鏡のトラブルシューティング
[鎮静関連トラブルシューティング]
Sedationが使えない
What should we do in cases where sedation may not be given?
大野 康寛
1
,
中村 尚志
2
Yasuhiro Oono
1
,
Hisashi Nakamura
2
1東京都立東部地域病院消化器内科
2赤坂内視鏡クリニック
キーワード:
鎮静
,
軸保持短縮法
,
極細径内視鏡
Keyword:
鎮静
,
軸保持短縮法
,
極細径内視鏡
pp.334-336
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001267
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はじめに
大腸内視鏡検査では,内視鏡の挿入時に腸管が伸ばされることで痛みが生じ,また挿入・観察時に腸管に空気を入れることで腹部の不快感が生じる。そのため,大腸内視鏡検査時には,意識レベルを低下させ,不安や緊張を和らげ,痛みや不快感を軽減させる処置として,鎮静(sedation)を行うことがある。一方,鎮痛は意識レベルの低下をきたさずに痛みを軽減することであり,鎮痛と鎮静は明確に区別されている。なお,オピオイド性鎮痛薬は鎮痛とともに軽い鎮静効果を発揮する。鎮静を併用することによる偶発症としては,呼吸抑制,循環抑制,徐脈,不整脈,前向性健忘,脱抑制,吃逆などがあげられる。鎮静の効果には個人差があるため,過度の鎮静により,酸素投与や補液,sedationに対する拮抗薬を必要とすることがある。鎮静薬や鎮痛薬の使用により,ふらつきや眠気があるため,検査後に1時間程度の安静が必要になる。また1時間の安静後も,ふらつきが持続することや,判断力の低下を認めることがあり,当日の車の運転は避ける必要がある。
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