Japanese
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特集 大腸内視鏡のトラブルシューティング
[前処置関連のトラブルシューティング]
腸管洗浄に伴うトラブルと対策
Countermeasures against complications related to bowel preparation
樫田 博史
1
Hiroshi Kashida
1
1近畿大学医学部消化器内科
キーワード:
腸閉塞
,
腸管穿孔
,
虚血性腸炎
,
誤嚥性肺炎
,
腸管洗浄剤
Keyword:
腸閉塞
,
腸管穿孔
,
虚血性腸炎
,
誤嚥性肺炎
,
腸管洗浄剤
pp.329-333
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001266
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はじめに
大腸内視鏡関連の偶発症のうち「前処置」に関するものには,腸管洗浄に伴うもの,鎮静・鎮痛や鎮痙薬に伴うもの,抗血栓薬休薬に伴うものが含まれる1, 2)。日本消化器内視鏡学会の調査1)によると,上下部消化管・胆膵を含め,前処置による偶発症は472件,0.0028%発生し,うち死亡は9件,0.00005%と報告されている。内訳は,鎮静・鎮痛薬関連が219件46.4%(死亡は4件,44.4%),腸管洗浄関連が105件,22.2%(死亡は3件,33.3%)であった。腸管洗浄関連は,ほぼ大腸内視鏡に限られるのにもかかわらず偶発症全体に占める割合が高いこと,しかも全死亡例のうち1/3を占めることに注目すべきである。穿孔を生じると致死率が高く,スコープ挿入や治療行為に伴うものも含めた穿孔200件中13件(6.5%)は死亡したという。
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