連載 スタッフの倫理的感受性を高める ナースマネジャーがともに考える臨床倫理――臨床看護師が直面する倫理的ジレンマを紐解く・12【最終回】
鎮静(セデーション):Sedation
竹之内 沙弥香
1
,
田村 恵子
2
,
浅井 篤
3
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻臨床看護学講座
2淀川キリスト教病院ホスピス
3熊本大学大学院生命科学研究部生命倫理学分野
pp.1192-1197
発行日 2010年12月10日
Published Date 2010/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101912
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
鎮静とは
日本緩和医療学会の「苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン」によると,鎮静(セデーション)とは,苦痛緩和を目的として患者の意識を低下させる薬物を投与すること,あるいは,苦痛緩和のために投与した薬物によって生じた意識の低下を意図的に維持すること,と定義されている1)。そして,鎮静の様式には持続的鎮静と間欠的鎮静があり,鎮静の水準には意識の低下の程度によって,深い鎮静と浅い鎮静に分類される。特に,深い持続的鎮静を実施することで,意識の低下によりコミュニケーションができなくなること,生命予後を短縮する可能性があることから,倫理的問題として議論されることが多い。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.