Japanese
English
特集 診療に役立つ内視鏡分類2024
[食道]
食道カンジダ症
Esophageal candidiasis
有馬 美和子
1
,
原田 文人
1
,
田中 由理子
1
,
高森 頼雪
2
,
土屋 昭彦
1
,
西川 稿
1
Miwako Arima
1
,
Fumito Harada
1
,
Yuriko Tanaka
1
,
Yoriyuki Takamori
2
,
Akihiko Tsuchiya
1
,
Kou Nishikawa
1
1上尾中央総合病院消化器内科
2上尾中央総合病院肝臓内科
キーワード:
食道カンジダ症
,
抗真菌薬
,
Kodsi分類
Keyword:
食道カンジダ症
,
抗真菌薬
,
Kodsi分類
pp.38-41
発行日 2024年1月25日
Published Date 2024/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001191
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Ⅰ.疾患の概要
カンジダは口腔,咽頭,消化管,皮膚などの常在菌で通常病原性はないが,広域抗菌薬,大量・長期の副腎皮質ステロイド薬(ステロイド)投与や,免疫抑制薬の使用,重症膵炎,悪性腫瘍,糖尿病,血液疾患などにおける菌交代現象や抵抗力の低下,ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)感染などの日和見感染として発症することが多い1)。また,H2-recepter antagonist(H2RA)やproton pomp inhibiter(PPI)投与による胃内pH上昇もカンジダ増殖の好条件になりやすい。アレルギー疾患や気管支喘息などに対するステロイド吸入療法の副作用として口腔・食道カンジダ症を発症することも報告されている。食道カンジダ症のリスクとステロイド用量との関連を調べたところ,5mg未満と比べて20mg以上は3倍以上のリスクであったことが報告されている2)。発生頻度は本邦で内視鏡検査を施行した症例の1%程度と報告されているが,実臨床では基礎疾患がなく,リスクとなる内服薬もない健常者の症例も存在する。
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