経口内視鏡による咽頭・食道表在癌診断：非拡大・拡大IEEを活用する

Practical use of magnifying and non-magnifying IEE in the diagnosis of pharyngeal and esophageal superficial cancer with peroral endoscopy

はじめに

　咽頭・食道領域では，Narrow Band Imaging（NBI）やBlue Laser Imaging（BLI），Linked Color Imaging（LCI）などの画像強調法併用内視鏡（image enhanced endoscopy：IEE）を併用した表在癌の拾い上げや治療後のサーベイランスが日常診療で行われている。咽頭癌も消化器内視鏡で拾い上げ，質的診断，範囲診断を行って，内視鏡観察下にESDや内視鏡的咽喉頭手術（endoscopic laryngopharyngeal surgery：ELPS）で治療する時代となっている。本稿ではこうした病変を発見したあと，深達度・範囲診断を行う際のIEE，特にIEE併用拡大観察（IEE-ME）の活用法，診断手順を最近の知見を含めて報告する。