Japanese
English
特集 消化管内視鏡AI:Updated
[上部消化管AI:市販化されたAIの特徴とその使用法]
上部消化管内視鏡診断支援機能 “CAD EYE” ―上部消化管領域におけるAIの活用―
Computer-aided diagnosis (CADx) system for gastric cancer by Fujifilm: CAD EYE
楠原 光謹
1
,
阿部 清一郎
1
,
水口 康彦
1
,
野中 哲
1
,
鈴木 晴久
1
,
吉永 繁高
1
,
斎藤 豊
1
Mitsunori Kusuhara
1
,
Seiichiro Abe
1
,
Yasuhiko Mizuguchi
1
,
Satoru Nonaka
1
,
Haruhisa Suzuki
1
,
Shigetaka Yoshinaga
1
,
Yutaka Saito
1
1国立がん研究センター中央病院内視鏡科
キーワード:
上部消化管内視鏡
,
診断支援機能
Keyword:
上部消化管内視鏡
,
診断支援機能
pp.1688-1694
発行日 2023年12月25日
Published Date 2023/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001150
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
深層学習(ディープラーニング)の登場により人工知能(artificial intelligence:AI)は急速に進化し,われわれの日常社会に溶け込んできている。医療現場も例外ではなく,内視鏡画像診断分野においてAIによるコンピュータ診断支援(computer-aided diagnosis:CAD)の研究開発が盛んに行われている。消化器内視鏡領域においては上下部消化管内視鏡のみならず,カプセル内視鏡や超音波内視鏡画像など研究開発は多岐にわたる1)。近年さまざまな画像強調内視鏡,拡大内視鏡の発展に伴う画像情報量の増加により,消化管腫瘍性病変に対する存在診断,質的診断,量的診断の診断能は向上した2)。一方で内視鏡医に求められる技術や知識も高度化し,熟練医と修練医では病変の検出能や診断能に差があるのも事実である3)。AIによる検査の支援は高いレベルで診断能の均てん化に期待ができ,医師の技術や診断能の格差を解消できる可能性を秘めている。すでに複数の企業がAI搭載の製品を開発し市販化を開始している。本稿では,富士フイルム社で開発されたCAD EYEシステムについて概説するとともに,同機器の使用経験にもとづいた現状での使用感について述べる。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.