Japanese
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特集 表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)の内視鏡診断と治療
[SNADETと鑑別を要する病変]
神経内分泌腫瘍(NET)
Duodenal neuroendocrine tumor
上田 智也
1
,
上堂 文也
1
,
北村 昌紀
2
Tomoya Ueda
1
,
Noriya Uedo
1
,
Masaki Kitamura
2
1大阪国際がんセンター消化管内科
2大阪国際がんセンター病理・細胞診断科
pp.754-755
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000766
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疾患の概要
十二指腸neuroendocrine tumor (NET)は,本邦の消化器NETの16.7%を占め,直腸(55.7%)に次いで高頻度である1)。NETの腫瘍細胞は,粘膜深層にある内分泌細胞から発生し,早期に粘膜筋板を越えて粘膜下層に達し膨張性に緩徐に発育するため,上皮性腫瘍ではあるが,肉眼的には立ち上がりがなだらかな半球状の粘膜下腫瘍(submucosal tumor:SMT)様の形態を呈することが多い。腫瘍径が大きくなるにつれて,中心陥凹(delle)や潰瘍形成を伴う。十二指腸での発生部位は球部>下行部>乳頭部の順に多い。EUSでは,第2~3層を主座とする境界明瞭で均一な低エコー腫瘤像を示すことが多い。内視鏡所見からNETが疑われた場合は,確定診断のため生検を行うが,通常の生検で陰性の場合,ボーリング生検やEUS-FNAも考慮される。
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