神経内分泌腫瘍(NET)のすべて
治療 神経内分泌腫瘍(NET)に対する分子標的治療
大塚 英郎
1
,
元井 冬彦
,
片寄 友
,
力山 敏樹
,
内藤 剛
,
柴田 近
,
江川 新一
,
海野 倫明
1東北大学 大学院消化器外科
キーワード:
Octreotide
,
神経内分泌腫瘍
,
無病生存
,
Everolimus
,
Sunitinib
,
分子標的治療
Keyword:
Everolimus
,
Octreotide
,
Disease-Free Survival
,
Neuroendocrine Tumors
,
Molecular Targeted Therapy
,
Sunitinib
pp.858-863
発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011299310
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消化器神経内分泌腫瘍(GEP-NET)は膵・消化管の神経内分泌細胞から発生する腫瘍である。一般に腫瘍細胞は異型が乏しく予後良好であることが多いが、肝臓など遠隔臓器に転移をきたす悪性度の高い腫瘍も存在する。進行・再発例で切除不能な場合、各種抗癌薬による化学療法が行われるが、近年さまざまな分子標的治療薬が開発・臨床応用され、神経内分泌腫瘍(NET)に対する有効性が報告されている。ソマトスタチンアナログ製剤のoctreotideは腫瘍の産生する各種ホルモンによる症候だけでなく抗腫瘍効果ももつとされ、大規模臨床研究により中腸原発のNETに対しその治療効果が示された。またmTOR阻害薬everolimusやチロシンキナーゼ阻害薬sunitinibなどさまざまな新規分子標的治療薬でその効果が報告されている。今後、これら分子標的治療薬がNETの集学的治療に応用され標準治療が確立されることが期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2011