ESD術中の出血

Intraoperative bleeding in ESD

はじめに

　ESDは早期癌に対しての治療として広く普及した。しかし，ESDには出血の合併症があり，今でもまだ十分に解決できていない課題である^1）。特にESD術中の出血はESD施行症例の約半数の症例で起こることも報告されている^2）。切開や剝離の途中で出血してしまったことで，その止血に多くの時間を割いてしまった経験は誰しもがあるのではないだろうか。ESD術中の出血は手技そのものを困難にし，術時間の延長につながるためその対策はESD手技のなかでも重要な要素となる。