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特集 症例から学ぶ大腸ESD―失敗しないためのKnacks & Tips―
[各論 症例から学ぶESD:病変別攻略法]
《Column》偶発症対応のKnacks & Tips 遅発性穿孔・後出血を予防したい:大きなESD後粘膜欠損を確実に縫縮するためのReopenable-clip over the line method(ROLM)
How to prevent post-ESD perforation or bleeding; “reopenable-clip-over-the-line method” for complete suturing of the large mucosal defect
野村 達磨
1,2
,
杉本 真也
2
,
天満 大志
2
Tatsuma NOMURA
1,2
,
Shinya SUGIMOTO
2
,
Taishi TEMMA
2
1三重県立志摩病院
2伊勢赤十字病院
キーワード:
ESD後粘膜欠損閉鎖
,
潰瘍縫縮
,
reopenable-clip over the line method(ROLM)
Keyword:
ESD後粘膜欠損閉鎖
,
潰瘍縫縮
,
reopenable-clip over the line method(ROLM)
pp.1724-1726
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000507
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はじめに
消化管腫瘍に対するESDは本邦では広く普及した治療手技である。一方でESD後の消化管粘膜欠損は時に重篤な後出血,遅発性穿孔などの偶発症の一因となる。それらの偶発症を低減するため,粘膜欠損閉鎖法が多く考案されてきた。大腸,十二指腸ではおもにESD後粘膜欠損辺縁の正常粘膜を汎用クリップや,Over-The-Scope Clipシステムで把持することで完全な閉鎖が達成される。しかし胃では粘膜,筋層ともに厚く,クリップで粘膜面を間隙なく閉鎖しても,粘膜と筋層の間に死腔が生じてしまい離開する可能性が示唆されている。そこでわれわれはESD後粘膜欠損を死腔なく閉鎖する方法として,reopenable-clip over the line method(ROLM)を考案し,新しい胃ESD後粘膜欠損閉鎖法として報告した1)。またROLMを用いれば,70mm大の大腸ESD後粘膜欠損も完全に閉鎖することが可能であった2)。
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