Japanese
English
臨床報告
直腸穿孔後の遅発性瘻孔に対してover the scope clip(OTSC)systemによる閉鎖が有効であった1例
Fistula closure using an over-the-scope clip system after rectal perforation: a case report
佐藤 洋
1
,
三輪 矢真人
1
,
髙橋 元子
1
,
平野 謙一郎
1
,
角南 栄二
1
,
小杉 伸一
1
Yo SATO
1
1新潟大学地域医療教育センター魚沼基幹病院消化器・一般外科
キーワード:
OTSC
,
瘻孔
,
腹腔内膿瘍
,
憩室穿孔
Keyword:
OTSC
,
瘻孔
,
腹腔内膿瘍
,
憩室穿孔
pp.1144-1148
発行日 2023年9月20日
Published Date 2023/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214248
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要旨
症例は45歳,男性.2日前からの下腹痛と発熱を主訴に当院を受診した.CTにてfree airおよび骨盤腔膿瘍を認め,緊急開腹したが,穿孔点を同定できなかった.術後経過に問題なく一旦退院したが,14病日に骨盤腔膿瘍の再発あり再入院.経皮的ドレナージ後に造影すると直腸憩室との交通が確認された.治療方針に苦慮したが,大腸内視鏡下に責任憩室を同定可能であったため,術後22病日にover the scope clip(OTSC)にて瘻孔閉鎖を試みた.治療後,直腸は造影されなくなり,膿瘍も経時的に縮小した.手術治療に困難が予想される症例に対して,OTSCによる瘻孔閉鎖は有効な治療の選択肢となりうる.
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