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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅰ. 隆起を呈する病変
3. 非上皮性隆起病変
B. 非腫瘍性非上皮性病変
胃好酸球性肉芽腫
Eosinophilic granuloma
飽本 哲兵
1
,
後藤 修
1
,
岩切 勝彦
1
Teppei AKIMOTO
1
,
Osamu GOTO
1
,
Katsuhiko IWAKIRI
1
1日本医科大学消化器内科学
キーワード:
胃粘膜下腫瘍
,
アニサキス症
,
超音波内視鏡
Keyword:
胃粘膜下腫瘍
,
アニサキス症
,
超音波内視鏡
pp.144-145
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000394
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疾患の概要
胃好酸球性肉芽腫はその成因から炎症性繊維性ポリープ(inflammatory fibroid polyp:IFP)と寄生虫性肉芽腫に分けられる。IFPは幽門前庭部に好発する良性の非腫瘍性ポリープであるが,その原因は明らかとなっていない1)。寄生虫性肉芽腫はおもに胃アニサキス症が原因である。胃アニサキス症は劇症型と緩和型に分類されるが,そのほとんどが強い腹痛,悪心で発症する劇症型であり,虫体を認めれば診断は容易である。内視鏡所見では,発赤,浮腫,びらんを認め,病理学的には好酸球とリンパ球を主体とする蜂窩織炎である。緩和型は虫体刺入後の異物反応で膿瘍を形成し,難治性の肉芽腫となる。内視鏡的には粘膜下腫瘍様の隆起となるが,症状がなく検診などの内視鏡で発見されるため,内視鏡所見のみによる胃の粘膜下腫瘍との鑑別はきわめて困難である。また,粘膜下腫瘍が短期間で消失するvanishing tumorを呈することもある。
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