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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅰ. 隆起を呈する病変
3. 非上皮性隆起病変
A. 腫瘍性非上皮性病変
胃グロムス腫瘍
Glomus tumor
大澤 恵
1
Satoshi OSAWA
1
1浜松医科大学医学部附属病院光学医療診療部
キーワード:
グロムス腫瘍
,
胃粘膜下腫瘍
Keyword:
グロムス腫瘍
,
胃粘膜下腫瘍
pp.104-105
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000374
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疾患の概要
グロムス腫瘍は,四肢末端に存在し体温や血流調節に寄与しているとされるグロムス体に由来する非上皮性腫瘍である。一般的には四肢や特に爪床に好発し,電撃痛を伴う腫瘍として知られている。稀に,胃,食道,小腸などの消化管にも発生する1)。胃は皮膚以外の好発部位であるが,胃グロムス腫瘍は胃の間葉系腫瘍の約1%と稀である2)。1948年にDe Busscherらによって初めて報告された。胃グロムス腫瘍のほとんどは予後良好であるが,転移例の報告もある。WHO分類でグロムス腫瘍は良性,悪性,GT-UMP(glomus tumors of uncertain malignant potential)の3つに分類され,Folpeら3)のcriteriaで,①深部発生で腫瘍径2cm以上,②異型核分裂像の存在,③中等度から高度の核異型を有し強拡大50視野中5個以上の核分裂を呈する,これを1つでも有するものが悪性病変とされる。胃原発のグロムス腫瘍は深部発生に該当する。免疫染色では,αSMAが陽性となるが,c-kit,ChromograninA,CD34,Desmin,S100は陰性となる2)。
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