Japanese
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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅰ. 隆起を呈する病変
3. 非上皮性隆起病変
A. 腫瘍性非上皮性病変
胃脂肪腫
Lipoma
小泉 英里子
1
,
貝瀬 満
1
Eriko KOIZUMI
1
,
Mitsuru KAISE
1
1日本医科大学消化器内科学
キーワード:
胃粘膜下腫瘍
,
脂肪腫
,
EUS
Keyword:
胃粘膜下腫瘍
,
脂肪腫
,
EUS
pp.100-101
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000372
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疾患の概要
胃脂肪腫は消化管に発生する脂肪腫の約5%程度と報告されており,また胃粘膜下腫瘍(submucosal tumor :SMT)の約7%,胃良性腫瘍の約3%,胃腫瘍全体では1%以下にとどまる比較的稀な疾患である1〜3)。年齢は60〜70歳台で多く指摘され,局在は前庭部に多い。ほとんどの胃脂肪腫は無症状であり,健診や他の目的で施行された上部消化管内視鏡で偶発的に発見・指摘されることが多い。一方,4cm以上の巨大病変や幽門輪に近接する病変では,心窩部不快感や腹痛,嘔気・嘔吐,胃排出障害などの症状を呈する場合もある。さらに,腫瘍を被覆する粘膜に潰瘍やびらんを有する症例では出血をきたすこともある1,2)。
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