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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅰ. 隆起を呈する病変
2. 上皮性・腫瘍性隆起病変
A. 亜有茎性・有茎性隆起
腺窩上皮型胃腫瘍
Foveolar-type gastric neoplasm(adenoma/adenocarcinoma)
柴垣 広太郎
1
,
荒木 亜寿香
2
,
石原 俊治
3
Kotarou SHIBAGAKI
1
,
Asuka ARAKI
2
,
Shunji ISHIHARA
3
1島根大学医学部付属病院光学医療診療部
2島根大学医学部器官病理学
3島根大学医学部消化器肝臓内科学
キーワード:
胃癌
,
腺窩上皮型
,
H. pylori
,
ラズベリー様
Keyword:
胃癌
,
腺窩上皮型
,
H. pylori
,
ラズベリー様
pp.72-73
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000358
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疾患の概要
腺窩上皮型胃腫瘍は,腺窩上皮への分化を示す胃型形質の上皮性腫瘍である。Helicobacter pylori(H.pylori)未感染胃に発生するものは上皮内病変であり,胃体上部〜中部に発生する。多くが発赤した小隆起で,いわゆるラズベリー様の外観を呈する。稀に白色扁平隆起として認められるが,これには散発性のものと家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis:FAP)などに合併する症候性のものがある。本邦ではいずれも癌と診断されることが多く,WHO分類(2019)ではfoveolar-type gastric adenomaである。一方,H.pylori既感染胃に発生するものは多くが胃体中部〜下部に発生し,発赤した隆起を呈することは共通しているが,側方に進展を伴うこともある。また,腫瘍径が大きく,脱分化や粘膜下層浸潤も伴いやすい。腺窩上皮型胃腫瘍はH.pylori感染の有無で悪性度が大きく異なる。
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