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連載 臨床研究をやってみよう!・シーズン2 第4回
傾向スコアマッチングの実際
Practical uses of propensity score matching
貞嶋 栄司
1
,
小林 克誠
2
,
永田 尚義
3
Eiji Sadashima
1
,
Katsumasa Kobayashi
2
,
Naoyoshi Nagata
3
1 地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館総合臨床研究所臨床統計支援部
2東京都立墨東病院消化器内科
3東京医科大学病院内視鏡センター
pp.1583-1589
発行日 2022年9月25日
Published Date 2022/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000332
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はじめに
観察研究はランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)とは異なり,治療介入などの割り当てが医学的な判断にもとづき決定されるため,治療群への割り付けには一定の傾向が生じる。仮に,治療群に重症者が割り当てられる傾向があると,治療効果は過小評価され正しく評価することができない。このような状況を交絡と呼び,対処法として傾向スコア分析や多変量解析などの統計手法が用いられる。傾向スコア分析は1983年にRosenbaumとRubin1)により提案されて以降,医学論文の報告数も年々増加している。本稿では,傾向スコア分析の1つである傾向スコアマッチング(propensity score matching)の基本的な考え方や解析方法について解説する。また,最後にNagataら2)による急性血便患者を対象とした国内49施設の多施設共同後ろ向きコホート研究(CODE BLUE-J Study)のデータベースを用いた解析例を紹介する。
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