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特集 外科臨床に役立つ統計学
II. 各論
3.傾向スコアマッチング
Propensity score matching
野間 久史
1
H. Noma
1
1統計数理研究所
キーワード:
交絡
,
バイアス
,
ランダム化
,
傾向スコア
Keyword:
交絡
,
バイアス
,
ランダム化
,
傾向スコア
pp.819-824
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka82_819
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高名な統計家による講演などを聞きにいくと,しばしば「治療のランダム割付け」について熱く語られる.しかし,大学や研究機関などでわれわれが実際に携わる臨床研究は多くが観察研究であり,現実的な条件下ではランダム化比較試験を行うことができるような状況は限られている.一方で,近年,『The Journal of the American Medical Association』(JAMA)誌などの一流医学雑誌では「傾向スコアマッチング」という方法が大流行している.何やらこの方法を使うと,観察研究のもとでも,あたかも治療のランダム割付けを行ったかのような「擬似ランダム化」による解析を行うことができるらしい.これはいったいどういうことなのであろうか.本稿では,最近のJAMA誌の臨床研究を事例として,傾向スコアマッチングによる統計解析について平易に解説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020