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特集 好酸球性消化管疾患のすべて
[各論 その他の好酸球関連消化管疾患]
《Note》機能性ディスペプシアと好酸球浸潤
Eosinophilic infiltration and functional gastrointestinal disorder
正岡 建洋
1
,
松垣 道博
1
Tatsuhiro MASAOKA
1
,
Michihiro MATSUGAKI
1
1国際医療福祉大学三田病院消化器内科
キーワード:
機能性ディスペプシア
,
好酸球
,
好酸球性胃腸炎
Keyword:
機能性ディスペプシア
,
好酸球
,
好酸球性胃腸炎
pp.1443-1445
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000304
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はじめに
胃の不調と思われる症状は専門施設に限らず,日常臨床において日々よく遭遇する症状の一つである。症状の原因を調べる目的で内視鏡検査や腹部US,CTスキャンなどの画像検査を行っても潰瘍や悪性新生物といった器質的異常は必ずしも見つからない。上腹部症状を訴える患者のうち,上部消化管内視鏡検査で器質的疾患を認めた割合は全体の1割程度とする報告もある。各種検査を施行したうえで器質的疾患,代謝性疾患,全身性疾患がなく,慢性的な上腹部症状を認める疾患は機能性ディスペプシア(functional dyspepsia:FD)と呼ばれる。FDの有病率は健診受診者で11~17%,上腹部を主訴に受診した患者は43~53%と高く,腹部症状を呈する原因を考えつつ,正確にFDを診断することが重要である1)。
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