Japanese
English
特集 好酸球性消化管疾患のすべて
[各論 その他の好酸球関連消化管疾患]
好酸球浸潤をきたす腸管感染症
Infectious causes of gastrointestinal eosinophilia
中村 元
1
,
勝木 伸一
1
Hajime Nakamura
1
,
Shinichi Katsuki
1
1小樽掖済会病院消化器病センター
キーワード:
好酸球
,
寄生虫
Keyword:
好酸球
,
寄生虫
pp.1431-1436
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000302
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
好酸球増多を認める疾患は数多く存在するが,原発性好酸球増多症と種々の基礎疾患に続発して生じる二次性好酸球増多症に大分される。二次性好酸球増多症の原因疾患として寄生虫感染症が,特に発展途上国を中心に数多く認められる。本邦においても寄生虫感染症はかつて国民病とされていたが,戦後衛生状況の改善や検査・駆虫薬の導入によりその数は激減した。しかしながら現在でも,海外渡航者の増加に伴う輸入感染症,食品輸送技術の発展や食文化の変化に伴う食品由来感染症,ペットブームに伴う動物由来感染症などとして,寄生虫感染症はいまだ見過ごすことのできない疾患であると考えられる。病原体となる寄生虫により感染経路や感染部位はさまざまであるが,一般的に好酸球増多を引き起こす寄生虫は多細胞性の蠕虫であり,単細胞性の原虫感染では好酸球増多は認められない1)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.