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特集 症例から学ぶ胃ESD―改訂ガイドラインwith and beyond―
[各論 痛恨の症例から学ぶ]
胃ESD後狭窄および蠕動障害の管理
Management of gastric stricture and gastroparesis after ESD
室井 航一
1
,
角嶋 直美
1
,
鈴木 孝弘
1
,
鈴木 智彦
1
,
廣瀬 崇
1
,
伊藤 信仁
1
,
古根 聡
1
,
古川 和宏
1
,
中村 正直
1
Koichi Muroi
1
,
Naomi Kakushima
1
,
Takahiro Suzuki
1
,
Tomohiko Suzuki
1
,
Takashi Hirose
1
,
Nobuhito Ito
1
,
Satoshi Furune
1
,
Kazuhiro Furukawa
1
,
Masanao Nakamura
1
1名古屋大学医学系研究科消化器内科学
キーワード:
ESD
,
狭窄
,
蠕動障害
Keyword:
ESD
,
狭窄
,
蠕動障害
pp.1212-1216
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000259
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はじめに
ESDは病理学的評価の確実性や根治性の点から,早期胃癌に対する治療として広く普及してきた。近年,治療適応病変の拡大に伴い,広範囲に及ぶ胃癌病変が対象となる場合も増えてきた。胃ESD後狭窄のリスクは,胃の部位や粘膜切除周率によって異なると考えられている1)。特に解剖学的内腔が狭い噴門部および幽門前部の症例や,広範囲にわたって粘膜切除した前庭部の症例では,狭窄および蠕動障害により胃排出障害をきたすことが多いとされている1~6)。高齢者において長期にわたる胃排出障害は,低栄養,嘔吐や誤嚥性肺炎を引き起こし,生命にかかわる重大な合併症となる可能性がある。いまだ頻度は低い合併症であることから,ESD術者は狭窄リスクや狭窄後の対応を十分に理解したうえで,術前から患者への説明や配慮が必要である。
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