特集 小腸内視鏡が変えた疾患マネージメント
疾患マネージメントに大きく変革がもたらされた病態 原因不明消化管出血(OGIB)
藤森 俊二
1
,
濱窪 亮平
,
橋野 史彦
,
星本 相理
,
西本 崇良
,
大森 順
,
三井 啓吾
,
田中 周
,
辰口 篤志
,
岩切 勝彦
1日本医科大学千葉北総病院
キーワード:
Meckel憩室
,
再発
,
消化管出血
,
診療ガイドライン
,
緊急検査
,
小腸疾患
,
カプセル内視鏡法
,
ダブルバルーン小腸内視鏡法
,
小腸内視鏡法
,
腹部CT
Keyword:
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Meckel Diverticulum
,
Practice Guidelines as Topic
,
Recurrence
,
Double-Balloon Enteroscopy
,
Capsule Endoscopy
pp.1812-1820
発行日 2021年12月25日
Published Date 2021/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2022082026
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消化管出血患者の10~20%程度は、初回の検索で出血源が同定できない。本邦では、上部・下部消化管内視鏡検査で観察範囲に出血源を同定できない消化管出血を原因不明消化管出血と定義し、ガイドラインが作成された。内視鏡検査後に造影CTが奨励されている点が、欧米のガイドラインと異なる。検査が速く、多情報・低侵襲性と、本邦では欧米よりCTが普及している点が理由である。CTの情報をもとにカプセル内視鏡、バルーン内視鏡の選択を行い、時に血管内治療を選択する。顕在性出血では診断・治療が可能なバルーン内視鏡が優先され、潜在性出血ではカプセル内視鏡が待機的に行われることが多い。しかし小腸内視鏡をそろえている病院は限られており、またスタッフの確保も容易ではない。ガイドラインで示された手順での検査・治療が困難な場合でも、可能な方法で出血源に迫ることが重要である。出血源を診断できれば、命を救う方法は外科手術を含めて見つかるに違いない。
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