消化管憩室の最近の話題
小腸憩室の診断と治療
江原 彰仁
1
,
三井 啓吾
,
田中 周
,
辰口 篤志
,
藤森 俊二
,
岩切 勝彦
1日本医科大学 消化器内科学
キーワード:
消化管出血
,
鑑別診断
,
発生率
,
腹部X線診断
,
カプセル内視鏡法
,
小腸憩室
,
小腸内視鏡法
,
腹部CT
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Radiography, Abdominal
,
Incidence
,
Capsule Endoscopy
pp.405-410
発行日 2016年3月20日
Published Date 2016/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016223465
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小腸憩室はメッケル憩室を除くと非常にまれであり,多くは固有筋層をもたない後天性憩室であり,腸間膜付着側に存在する.回腸よりも空腸に多く,好発年齢は高齢者である.無症状のまま経過することが多いが,出血,憩室炎,穿孔,腹膜炎,腸閉塞などの非特異的な腹部症状を引き起こすことがある.検査は症状に応じて小腸造影,CT,血管造影,カプセル内視鏡,バルーン内視鏡などを適切に選択あるいは組み合わせることが重要である.出血に対してはバルーン内視鏡による内視鏡的止血術や血管造影による塞栓術で手術を回避することも可能である.また憩室炎には抗菌薬投与による保存的治療が選択されるが,穿孔による腹膜炎や腸閉塞などは外科的治療の適応である.
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