特集 ここが知りたい、表在型Barrett食道腺癌
LSBEとSSBEの発癌リスクはなぜ違うのか?
眞部 紀明
1
,
松枝 和宏
,
中村 純
,
綾木 麻紀
,
勝又 諒
,
藤田 穰
,
鎌田 智有
,
畠 二郎
,
春間 賢
1川崎医科大学 検査診断学(内視鏡・超音波)
キーワード:
Barrett食道
,
危険因子
,
食道腫瘍
,
腺癌
,
発癌
Keyword:
Barrett Esophagus
,
Adenocarcinoma
,
Esophageal Neoplasms
,
Risk Factors
,
Carcinogenesis
pp.1669-1674
発行日 2021年11月25日
Published Date 2021/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2022048000
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Barrett食道の臨床的意義は発癌リスクを有する点にある。多くの報告に共通してみられるリスク因子に「Barrett食道の長さ」があげられる。Barrett食道はその長さにより、SSBEとLSBEに分けられる。SSBEとLSBEの発癌頻度を比較したメタ解析によると、high grade dysplasiaを含めた発癌率はSSBEでは年率0.24%であるのに対して、LSBEでは年率0.76%とLSBEの発癌率が圧倒的に高い。Barrett食道の発癌には、遺伝子の不安定性とclonal expansionの両者が関わっているといわれており、Barrett食道が長くなり変異負荷が大きくなると、より臨床的な意味をもつ症例が増えると考えられている。
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