特集 膵疾患に対する内視鏡診療のすべて
膵疾患に対する内視鏡治療 EUS下腹腔神経叢/神経節融解術の実際
石渡 裕俊
1
,
石川 和真
,
新谷 文崇
1静岡県立静岡がんセンター 内視鏡科
キーワード:
Ethanol
,
下痢
,
術後合併症
,
自律神経ブロック
,
膵臓腫瘍
,
低血圧
,
二重盲検法
,
腹腔神経叢
,
超音波内視鏡検査
,
ランダム化比較試験
,
Phenol
,
癌性疼痛
,
疼痛管理
,
ラジオ波焼灼術
Keyword:
Endosonography
,
Autonomic Nerve Block
,
Hypotension
,
Cancer Pain
,
Radiofrequency Ablation
,
Celiac Plexus
,
Diarrhea
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Phenol
,
Pancreatic Neoplasms
,
Postoperative Complications
,
Double-Blind Method
,
Ethanol
,
Pain Management
pp.1476-1483
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021368624
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癌性疼痛に対するEUS下腹腔神経叢/神経節融解術(EUS-CPN/CGN)はリアルタイムに周辺臓器をEUSで観察しながら行うことができる。方法にはcentral法、bilateral法、CGNが報告されている。これまでの臨床研究・試験からはbilateral法が除痛コントロール、QOL維持のためにはよさそうである。つまり、腹腔神経叢の存在する腹腔動脈周囲にまんべんなく神経破壊薬を分布させることが、手技を成功させるコツである。EUS-CPN/CGNを導入する時期は、膵癌診断時などのより早期がよいとされてきた。しかし、近年、医療用麻薬の進歩により、早期導入が正しいかは再検討が必要であろう。最新のランダム化比較試験では、早期EUS-CPN/CGN導入の利点は少ない可能性が示されている。実臨床においては、薬物治療でコントロール困難な場合、薬物の副作用で使用が難しい場合がEUS-CPN/CGNのよい適応である。手技自体は比較的簡単であるが、重篤な偶発症も報告されており、利点・欠点・コツを十分に理解した状態で手技を行っていただきたい。
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