膵癌診療最前線 新たな抗癌薬により長期生存を目指す
膵癌診療におけるinterventional EUS
木田 光広
1
,
荒木 正雄
,
宮澤 志朗
,
池田 弘子
,
竹澤 三代子
,
菊地 秀彦
,
渡辺 摩也
,
今泉 弘
,
西元寺 克禮
1北里大学東病院 消化器内科
キーワード:
遺伝学的治療
,
自律神経ブロック
,
膵臓腫瘍
,
腹腔神経叢
,
免疫療法
,
Paclitaxel
,
病巣内投与
,
超音波内視鏡検査
,
細針生検
Keyword:
Autonomic Nerve Block
,
Celiac Plexus
,
Immunotherapy
,
Pancreatic Neoplasms
,
Injections, Intralesional
,
Genetic Therapy
,
Paclitaxel
,
Endosonography
,
Biopsy, Fine-Needle
pp.747-750
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008338468
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近年膵癌に対する超音波内視鏡下穿刺術を用いた治療が、臨床や、基礎実験の場で試されている。すなわち、膵癌の疼痛に対する腹腔神経叢ブロックは臨床の場で汎用されており、78~88%の症例でその治療効果が有効とされている。そのほかは基礎実験、臨床試験レベルが多いが、paclitaxelを含有するOncoGelの膵臓への局注、その他膵臓に対する光力学療法、エタノール局注療法、radiofrequency ablation(RFA)の基礎実験が行われている。さらに、放射性物質を膵臓にimplantationするbrachytherapyは基礎、臨床試験が行われている。免疫療法として、樹状細胞を超音波内視鏡下穿刺術(EUS-FNA)下に膵臓へ局注する臨床試験が進行中であり、放射線感受性に係わるTNFeradeという遺伝子を用いた遺伝子治療gene therapyも臨床試験中である。いずれにせよ、EUS-FNAを用いた膵癌に対する新しい療法の開発が期待され、目が離せない領域である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008